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死が2人を分つまで

第4章 危険な香り


「ここから無重力地帯となります。ここに捕まっていて。」

優しく丁寧にリードされる。

「私、無重力に慣れていないのですが・・」

「では、私の腕に」

そっと引き寄せられクルーゼの腕を掴む。

「行きますよ。」

ゴーッと機会が動く音がすると体が軽くなって行く。
オールライトの文字が映像で映るとシャッターが上がる。

「何もせず、私に捕まっていてください。」

言われた通りに腕を掴んだままにする。
小さく感嘆の声をあげてしまう。
今まで体験したことがない感覚だ。

「ここに捕まって、あそこに見えるのがモビルスーツです。ここにひとまず最新鋭の機体が集められ、各基地や部隊に配備されます。」

こんな機会の塊は軍艦ぐらいしか当時なかった。

人型の塊に驚く。

「すごい、何で動いているのですか?」

「詳しくはお答えできませんが、バッテリーのようなものです。」

「では稼働時間が限られて来るのですね。」

「そうかもしれませんね。・・・失礼、軍事機密に触れる可能性があるので曖昧な回答しかできないものもあります。」

「ええ、答えられる範囲で構いません。」

「しかし、あの時あった少女とは思えませんな。もっと可愛らしい少女だと思っていたが、別の一面もあったらしい。」

後ろで楽しそうにクスッと笑う。

「あれが我々の戦艦です。」

素人でもわかるような説明しかされない。
見ればわかる簡単な説明がざっとされる。
実のない会話を続けうんざりすした。

「どうされましたか?」

「いいえ。・・・。ザフトは義勇軍だと聞いたのだけど。あなたはなぜ志願したのですか?」

「それは野暮な質問ではありませんか?」

言葉とは裏腹に彼は楽しんでいるようだった。

「そう、なぜナチュラルがいるのかと思って。ごめんなさいね。」

もっと動揺するかと思ったが、反応は薄かった。

「なぜ?私がナチュラルだと?ここはプラント、ましてはザフトだが?」

敬意を払われているとは思わなかったが、殺気を放たれるほどだとは思わなかった。

「私感が鋭いの、ある程度人が考えてることがわかるの。」

そう、私は超人的な能力を持っていた。
そのため元世界でも完全に捨てられることなく、要人として活躍することを許された。

「興味深いな」

「でもあなたもでしょう?」

離れていた彼の側へ体を動かし、挑発的に見つめた。
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