第1章 始まり
私は本戦の前日の夕刻にヒルゼン様へ鷹を飛ばした……そしてそれは本選前日深夜、三代目火影 猿飛ヒルゼンの下に降り立ち、受け取った書状を手に火影室の椅子へ深く腰をかけキセルに火を付けた。
「(ミズキからの報告では既に大蛇丸が里に潜んでるか……明日の本選、ただでは済まなそうじゃな……)ライト!」
「……お呼びですか?ヒルゼン様」
「うむ。今しがたライより報告を受けた……明日の本選、恐らく大蛇丸が砂と手を組み仕掛けてくる……ライより試験会場内外へロ班配備を指示してきおった」
「………ライは?」
「今、木の葉へ向かっとるところだ……試験本選に間に合うくらいで到着すると……そして、戻り次第、場内での指示を担うとのことじゃ……そして、既に大蛇丸は木の葉に潜んでおると……」
「……流石は伝説の三人、大蛇丸様……と言った所ですね……暗部総出で里の内外に緊急配備を敷きます…」
「うむ……出来ればライを大蛇丸へは近づけたく無いのじゃが……」
「……… ライは覚えてないんですよね?今もそれは戻ってない……」
「四代目火影 波風 ミナト……ミナトがライ……いや、ミズキを自分の娘として育て、大蛇丸・その他その力を狙う者からミズキを隠した……そして、ミズキも幼き頃より暗部として生き表舞台からは名を消した」
「……里でもミズキの一族を知るのは極一部……更にあの事件は里では口外することを禁じられてますからね……」
「うむ。万が一、ミズキの存在が表に……大蛇丸に気付かれたら……」
「再びミズキが狙われるという事ですね……ですが、危険だからと配備の変更を受け入れる訳はないでしょうね?四代目に似て頑固ですから」
「……そうじゃな、ライト、明日は厳重な体制をひいておけ!くれぐれも油断のないようにな!」
ワシはミズキの報告を受け取ると人払いをして、暗部総隊長であるライトを呼び、ミズキの情報を渡した……出来る事なら、ミズキは間に合わなければ良かったが……何としても大蛇丸からはあの子を護らねば、四代目火影…ミナトに顔向け出来ん………明日が正念場だ……配置は任せたぞ、ライト……里の家族はワシが必ず護る……大蛇丸の好きにはさせぬぞ。