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瑠璃色の瞳のその先に

第1章 始まり


私はサスケに申し訳ない表情で困った様な笑みを浮かべて、それからもう一度、火影岩を見つめた……そして、ズラして付けていた狐の面を手にし、表情を引き締めるとカカシの質問の答えを少し考えた。


「(空気が変わった……これが暗部か)」

「(コイツ、肌で感じたか……成長してるな、サスケ!)
ミズキ、戻って来るでしょ?」

「…んー………死ななければ?」

「「!?」」

「なーんてね!2人ともなんて顔してるの?易々と暗部が殺れたらダメでしょ?まぁ、本選までには戻りたいなぁ〜?
(ナルトの成長も見たいし、ね?パパ……)」

「冗談でも“死ぬ”なんて言葉は口にするなよ?」

「あはは、ごめんごめん……じゃ、サスケも頑張ってね!中忍試験、楽しみにしてるわよぉ〜!じゃーね!」

「…… ミズキ、無茶はするなよ?」




暗部の面を付けると気分が引き締まる……忍としてこれまで生きて来て、この面を被ることで私の弱さも蓋が出来るから……サスケはちょっと驚いたかな?けど、ごめんね?これが暗部ロ班隊長としての私なの……。

あ……カカシ、怒っちゃった?そりゃそうよね……本当に一人殺られてるんだもん……だからこそ、私も油断が出来ない……。


ミズキは笑いながら“死”という言葉を口にした……あのさ、冗談でもそんな事言うなよ……オレが怒ったの分かってるよね?ま、今回は見逃して上げる……お前はちゃんと帰ってくるからね?オレはミズキが去った後を見つめて、自分に聞こえるだけの声で無事を祈り静かに目を閉じた。





「……おい、カカシ……ミズキとどういう関係だ?」

「んー?気になる??」

「ッ!?チッ!!クソ、修行の続きするぞ!バカカシ!」

「ハハハ……ハイハイ、じゃ、やりますか!」


なんだよ、サスケ?お前、ミズキのこと好きなの?おませくんだねぇ?だけど残念、ミズキはお前には……いや、誰にも譲らなーいよ!
オレは曖昧に愛読書を手にサスケを覗き込んだ。


くくくっ、揶揄ってやると怒るなんて、まだまだガキだな?


オレは不貞腐れるサスケを笑いながら、日が暮れても修行を続け、疲れ果て意識を失うまでサスケに付き合った。
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