第1章 始まり
敵が私に近付き抵抗しない様に傷付けようと向かってくる刃が私に届く手前で止まる……すごく冷静な私がいる……なんでかな?どうして刃が止まってるんだろ?私は静かにヒルゼン様をその場に寝かせ、顔を上げると水晶のように透き通る瑠璃色の瞳に影が浮かび上がり、肩に刺さる刀を抜き取り一瞬にして多々憚る敵を絶命させると、そのまま腕を大蛇丸が逃げる方向へと突き出した。
「逃がさない__ッ!」
「(マズイの…)カカシ!ミズキを止めろ!!」
「分かってます!」
「〔龍宿展篶・静〕」
3.5秒……それで終わらせる!四人衆の結界内に入った時以上の広範囲の空間を支配し、領域に入った敵忍と木ノ葉の忍の動きが停止した……みんな、ごめん……敵は倒すから!!
私は1.5秒で下に広がる音忍の息の根を止め、その後、残りの支配時間で大蛇丸の退路を守る残党を倒し、未だ空間支配で動けない大蛇丸を冷ややかに見据えた……。
「(っ!!草薙の剣を持ったまま……くぅ、腕が…術が使えれば…)早く戻って、アナタ達!!」
「……死ね!師を手にかけた罪を__」
「ッ!!?ミズキ!!カウンターだ!!離れろ!!」
カカシの声が聞こえる……大蛇丸も意識が戻った……でも、逃げるのに四人衆に抱えられてるから逆に仇となったね……私は…死んでもいい……大蛇丸さえ殺せれば……。
写輪眼でミズキの瞳術はオレには効かない……それにミズキの感知できないカウンターにも気付ける……くそっ!間に合えッ!!
「クッ___」
「弱い………」
「ミズキッ!!」
「………カカシか……」
「その刀……紫政…さん……生きて…いたんですね……何故…… ミズキを……」
大蛇丸へと刀身が届く寸前で背後より腕を捻じ上げられ草薙の剣を奪われると身体を反転させ現れた男の首下へ迷いなくクナイを向けるも男自身の刀で弾かれた……私は男に背を向け大蛇丸へ向かうと背後より首下へ刀が当たる感覚を感じながらも忍刀を空間より取り出し、大蛇丸との相討ち覚悟でチャクラを込めた瞬間、身体を引き寄せられ、男の攻撃は回避された……。
そして、空間支配が切れ、男が何か唱印したのが聞こえると四人衆が動き出し大蛇丸が再び遠ざかるのとカカシが男と話すのを、私はカカシの腕の中で見つめていた……。