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瑠璃色の瞳のその先に

第1章 始まり


私が闇へと堕ちていた時、ヒルゼン様は術が発動するまでの間、火影様達の攻撃を無抵抗で受け続け、般若が韻唱し終わるのを待ち続け、唱え終わると般若は数珠の巻かれている手を挙げ、ヒルゼン様の魂を媒体にした透明な体を呪印が浮かんだ手で貫いた。


「(何とか、間に合った様じゃな)」

「どうしました?もう、フラフラじゃありませんか(闇が…消えた。何だ、この術は!?)」

「猿!!」

「すまぬ……猿飛よ」

「世話を掛けたな……」

「お許し下され……初代様!二代目様!封印!!」


そして、大蛇丸が驚く中、影分身達が初代様と二代目様を捕らえると、ヒルゼン様の身体を般若の腕が貫くと闇が晴れ、その手が二人の魂を引き抜きヒルゼン様の身体へと封印され、二人の身体が崩れその中より中忍試験に参加していた大蛇丸の部下を媒体にしていた事に怒り涙を流された……。

そして、大蛇丸とヒルゼン様の攻防が始まり、大蛇丸が草薙の剣を弾いた後、如意棒化していた猿魔が畳み掛けるも大蛇丸の蛇に捕まり、その瞬間、ヒルゼン様は大蛇丸を捕らえ、般若の腕が大蛇丸へと伸びたのを私は覚醒しない頭で見つめていた……。


「(な、何のこの感覚……マズイな)」

「……ん……ッ!!?ヒルゼン様ッ!!」



「死ね!!」
「死ね!!」



私は向かい合うヒルゼン様と大蛇丸の姿に驚くも大蛇丸のチャクラで飛ぶ刀に気付き、咄嗟に刀とヒルゼン様の間に入り、刀身を手で掴むもの勢いは殺せず私の左肩を貫通し、そのままヒルゼン様の胸も貫いた。



「ゴホッ…… ミズキ無茶をしおって……」

「___ッ!」

「なぜ……逃げないのです!?」

「(!……術が発動…しない)この手…術はのぉ、術の効力と引き換えに、己の魂を死神に引き渡す……命を代償とする封印術じゃ……避ける必要は無い……どうせ死ぬ」
 
「クッ……」

「お前にももう見えるはずじゃ、ワシの背後に立つ死神がな?」

「……ッ!?」


私はヒルゼン様のいつもと変わらない声色に堪え切れず大粒の涙を流しながら、背中に感じるヒルゼンの温もりが消えていくのを感じた……。

九尾を封印した際に四代目……パパが使った術………ヒルゼン様が大蛇丸へその最期を説明すると大蛇丸の息を呑む声で死神が見えたのだと確信した……私にはこの眼で初めから見えていた……パパの時の様に……。
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