第1章 始まり
闇に覆われた事で震えが止まった……〔凪風〕…私は自分の中心部より風を巻き起こすと手脚に纏わりついた蛇がバラバラに落ちていく……ヒルゼン様が影分身を……今ならまだ間に合う……アイツが召喚される前に……みんなの居場所はこの眼で見えてる……早くこの闇を解除しなきゃ!!
「〔火遁・炎虎龍、土遁・地塞龍!!〕」
「(ッ!?印も結ばず術を発動させるか……これは龍香の天才と呼ばれた初代、喜助を超えるな……)」
「〔龍宿展___〕っく!」
「やめておけ、『龍宿展篶』空間の時空、そのものを支配する術……喜助と同じだな……だが、オレたち、千手一族には効かない……お前が支配する時間、脳…即ち精神の消費し続ける、使い続けると脳が焼き切れる……それを抑える為に、回復も同時に行っていることに気づいてるか?そして、この術の最大の弱点は相手のカウンターを読めず、回避することが出来ない……支配時間が多いほど危険度は上がる。強者であればある程、回避出来るからな?」
私はこれまでにないくらい集中していた……炎の龍で木々を焼き払い同時に地中より土の龍が二人の火影の動きを止め、龍宿展篶の掌印とした瞬間、気付いた時には初代様に腕を拘束され、二代目様が私の額に人差し指を当てられ、自分の術の説明に目を丸くした……。
「何の話……?私の術は……ッ!生憎、私は術についてはよく分かって無いです……気付いた時には使えてた……ですが、危険であろうと里と仲間の為ならば____ッ!?」
「〔封印術・屍鬼封尽!!〕」
「やめてッ!!ヒルゼン様!!!」
「私の知らない術ね……?見せてもらいましょう、猿飛先生?そして、この里と一緒に死んでください!!
ミズキちゃん、アナタ少し邪魔よ?ちょっと眠ってて」
「ッ!!?………かはっ……!!ヒル……ゼン……さ……ま…………」
ヒルゼン様が封印術・屍鬼封尽を……私は火影様達の拘束を振り切り真っ直ぐに走り抜ける途中、私とヒルゼン様の間に大蛇丸が現れ、私の首を締め上げ動きを止めると、初代様と二代目様が大蛇丸の前に立った……そして、私は背中に痛みを感じた瞬間……現れた般若と眼が合い、そのまま意識を失った……。