第17章 クリスマスイブ(その後)
「ちゃんと言ってよ?
言ってもらわないと、俺忘れるかもしれないから」
「私じゃないから大丈夫ですよ」
「黒尾鉄朗、30歳。はぁ。やるかー!」
「頑張ってください。
あ。そういえば、黒尾さんって誕生日っていつなんですか?」
「11月17日。奈々は?」
「そうなんですね~!私も11月です!
誕生日近かったんだ。もう終わっちゃいましたね」
「だな~。けど、じゃあ来年は一緒にお祝いしよう」
一年後の、少し先の未来の約束を当たり前に言ってくれる黒尾さん。
「楽しみだな~!」
「俺も~」
そう言いながら、ぎゅって
抱きしめられて。
「じゃあ、星座も一緒ですね!」
「あ、そうね?」
「じゃあ私たち、ほとんど運命共同体ですね!」
「ほとんどね(笑)ウン。悪くないデス。
さ、そろそろ寝よう。で、明日起きて一緒に占い見ようね」
「はい。覚えておきます。おやすみなさい」
「うん。おやすみ」
今日の私たちの運勢は、何位だったんだろう?
だけどこんなにも幸せな日だったんだから、
きっと1位だったんじゃないかなって。
だけど、黒尾さんがいれば
たぶん私の運勢は、毎日1位だと思う。