第16章 クリスマスイブ(夜)
二人で向き合ってベッドに入って
明日、何時に起きるかの確認。
黒尾さんの腕枕付き。
「あ~ぁ、明日も仕事かァ。休みならいいのにな?」
「ですね」
「でもしょうがない。じゃあまた明日。おやすみ」
「………黒尾さん、もうちょっと話してもいいですか?」
「ん~?どうぞ〜?」
「あ、話してっていうか、今から思ってること言います」
「どうぞ~?」
私の突然の宣言に、目を閉じたままの黒尾さんがフッと笑う。
「黒尾さんって、もっと私に触れたいな~とか思わないんですか?」
今にも寝てしまいそうな表情から一変。
勢いよくこっちを見られる。
「………え?」
「私は、黒尾さんとこうやって近くにいれるの好きだし」
そう言いながら、もう少し黒尾さんの近くへ。
「それに、黒尾さんに触れてほしいなって思ってます」
「………。」
「スミマセン。以上です。おやすみなさーい」
無反応って。
………まぁいいや。
今の私にはそういう魅力はないってことだろう。
元彼とのレスでわかってたじゃん。
………再確認をさせられることになるとは思っていなかったけど。
はぁ。
布団の中に潜って、黒尾さんの胸に頭を押し付ける。
このくらい、許してください。
はぁ。
…………寝よ。