第16章 クリスマスイブ(夜)
………別に、するのが好きなわけではないと思う。
というか、元彼とは最後はレスで、最後にしたのは何ヶ月前?
いや、もう年単位?
覚えてないわ………。ってレベル。
あ、だからアイツは浮気してたのか。
スッキリ!
ってなるわけないんだけど。
まぁ今はそんなことどうでもいい。
お風呂、先にどうぞって言ってくれたから、先にいただいて
今ドライヤータイムの黒尾さんをひとり悶々と待つ。
今日はね、クリスマスイブだし。
さすがに、ね?
ドライヤーの音が止まって
歯を磨きながら黒尾さん登場。
「寝ててもよかったのに」
今日は平日。
明日も普通に仕事だから、たぶん気を遣って言ってくれたんだと思う。
「黒尾さんも、もう寝ますか?」
「ウン」
「じゃあ、一緒に寝ます」
「りょーかい。じゃあもうちょっと待ってて」
「はーい」
寝ててよかったのにって言われた時点で
今日も何もないことを悟った。
ウン。