第14章 12月(翌朝)
次に目が覚めた時
さっきまで隣にいたはずの黒尾さんがいない。
…………。
あーーーーーー。
さっき二度寝なんかしなきゃよかった。
せめて8時に起きていたら、そのまま起きていたかもしれないのに!
………嘘です。
8時だったらやっぱり二度寝してた。
9時とかなら?
起きてたと思う。たぶん。
いやでも9時なら黒尾さん、すでに起きてたかもな………。
って過ぎてしまったことはもうどうしようもないから
考えるだけ無駄無駄!
なんだけど。
やだなぁ。
朝からのことなんて考えてなかったけど
というか元彼も先に起きてたけど、あれはもう日常過ぎて。
だから朝からのことを、考えることができていなかった。
けどこの悶々とした時間が続けば続くだけ、私が起きた時間は遅くなっていく。
「はぁ」
最後にため息をひとつだけ出してベッドから降りる。
全身鏡の前で身なりを確認。
知っているけど、スッピンの冴えない私にため息。
いや、化粧したところで対して変わんないけど。
ただ、黒尾さんのスウェットを着ている自分は
嫌いじゃなかった。