第13章 12月(夜)
髪の毛を撫でられる、大きな手が心地いい。
黒尾さんと目が合って
唇が重なる。
最初は触れるだけのキス。
これも、すごく心地いい。
お腹の下の方がキューっとなって。
軽かった口付けが、少しずつ長く。
そして、深くなっていく。
ダメだ。
キスだけでこんなにふわふわとしてしまう自分に驚いてる。
キスって、こんなに気持ちよかったんだ。
体からどんどん力が抜けて、ソファを背もたれにして
あとは黒尾さんに支えてもらっている状態で。
背中がひやりとしたと思えば、いつの間にか背中は床とくっついていて
唇が離れたタイミングで目を開けると、やっぱり優しい顔をした黒尾さんと目が合って。
大好きだなって。
さっきさおりとご飯を食べた時
黒尾さんそんなことするなんて、恥ずかしすぎて無理!って実は思っちゃったけど。
前言撤回。
いや、言葉にはしてないから前思撤回?
いや、今はそんなことはどうでもよくて。
もっと黒尾さんに触れてほしいし、近くにいたいし
そして抱きしめてほしいって。
「くろお、さん………」