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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第13章 12月(夜)


アルコール片手に会話が弾む。

でも、話題がひと段落ついたところで





「ねぇ、こっちきて?」





テーブルを挟んで座っている状態。

黒尾さんに呼ばれる。





「………はい」





別に呼ばれただけなのに、急にドキドキしてしまう。


黒尾さんの隣に、座ってみる。


なんだか、何かしていなきゃ間がもたないような気がして

とりあえず飲みかけの缶チューハイを飲んでみた。





「くくくっ」



「……なんで笑うんですか?」





黒尾さんが笑った理由は、なんとなくわかるけど。





「緊張してるの、可愛いなって思って」





………やっぱり。

緊張していることが、バレている。





「………黒尾さんは、緊張。しないんですね」





少し嫌味を込めて言ってみた。





「してないと思うの?

………こんなに近くに奈々がいるのに?」





………ちょっと待って。


ただでさえドキドキが止まらないのに。



初めて名前を呼ばれた。


それも、耳元で。




ちょっと待って?!?!



……………無理!!!!!





「ちょっと待ってください………!」



「んー?なにが?」



「いや、名前………」



「イヤ?」





いえ。





「イヤ、な訳じゃないんですけど………」



「じゃなくて?」





絶対今、面白がられてる。





「………黒尾さん、ズルイです」



「ん~?」





…………っっ!



私も黒尾さんのこと、名前で呼んだりすれば

黒尾さんもちょっとは同じ気持ちになってくれたりする?

なんて考えてみて、呼んでみればいいんだけど。



…………呼べない。

なんか恥ずかしくて、無理!!
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