第9章 海(帰り道と翌日)
……………。
アラサーの俺が5つ下の子って。
歳は別に普通かもしれないけど、意外とジェネレーションギャップがあるのかもしれない。
え。佐藤がどうであっても動じないって自信を持って言えるけど
自分が受け入れてもらえるか?
なんか心配になってきた………
さっきまでの多幸感はどこへやら。
一気に不安になる。
そんな風に悶々と考えている間に「既読」の文字がついて。
ハイ、手遅れ~。
はぁーーーー。
もう、しょうがない。
諦めて布団から出てそのまま洗面所へ。
歯を磨いて顔を洗ったところで何も変わらないけど
とりあえず、いつも通りをやっていく。
このまま一生スマホを放置しておきたい気持ちもありながら
結局ベッドに放り投げてあったスマホを確認しに行ってしまう。
遠くからスマホの画面を確認すると
あーーーーー。
誰かからのメッセージが届いてることがわかって。
見たくないけど見たいような。
いや、結局いつかは見なきゃいけないし、
そもそも佐藤じゃないかもしれないし。
意を決して確認すると、やっぱり佐藤からなんだけど。
【今日は高校の友達とランチに行ってきます。黒尾さんは?】
すごくあっさりした返事に思わず拍子抜けして、ふっと力が抜けた。
【俺は家でのんびりするよ。楽しんでね。】
【ありがとうございます。帰ったら連絡しますね。】
佐藤からの返信に、また口元が緩む。
別に連絡がなければそれでもいい。
だけど、何でもない連絡が取れる関係になったことを改めて感じて。
昨日の出来事は夢じゃないんだなって。
最近の俺としては柄にもなく、フワフワした気持ちになったりした。