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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第7章 海へ


「今日、ほんとにすみませんでした」



「謝らない」



「……はい」





今日、私が謝るたびにそう言われた。





「でも、黒尾さんに甘えました」



「いいんじゃない?」





そう言ってこっちを見た黒尾さんと目を合わせることはできなくて。


思わず下を向く。





「むしろもっと甘えてよ」



「でも……」



「いいじゃん。俺がそう言ってるんだし。な?」





な?って言われても。





「黒尾さんって、どこまでも優しいですね」



「佐藤にだけな」




………………。




「今日、本当に黒尾さんには会わないって思ってました。

こんな状態じゃ、会えないって」



「うん」



「だけど、結局独りでいれなくて。家にまできてもらって。

ただ、私の話を聞いて、なだめてくれて」



「うん」



「正直、まだしんどいです。だけど、黒尾さんがいてくれなきゃ。

私、まだ泣いていたと思います。


そして海にまで連れてきてもらって。

ありがとうございました」





やっぱり目は見れなかったけど。





「どういたしまして」





たぶん横で優しく笑ってくれているだろう黒尾さんを思うと、胸が締め付けられた。


………………………………
………………


黒尾さんにそういう風に思っていると告げられた先週末。

だけど会社では、当たり前だけど今まで通り。


だけど、どうしても勝手に意識してしまう。



……しょうがないよね?

今までは"仕事"での黒尾さんしか見てこなかったけど、初めて男性として意識してみたら。



わかりきっていたことかもしれないけど。


一言でいうと、ものすごくカッコ良かった。



そして、黒尾さんが優しいなんてことは十二分に知っている。



そんな人が私のことを想ってくれているって。


夢かな?とか、なんかのドッキリ?

てか騙されてるんじゃない?なんて。



そんなことばっかり思っていたけど。




たぶん、違う。




そんなんじゃ、ない。
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