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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第7章 海へ


ただただ外を流れる景色をぼーっと眺めて。



たぶんもう1時間くらい?


ビルが並ぶ景色から、周りの建物はどんどん低くなって。





海が、見えた。


………………………………
………………


黒尾さんとデートの日。


早めに準備を済ませてしまって、時間まで手持ち無沙汰な私はいつも通りスマホを手に取って。

いくつかあるSNSのアカウントを、いつも通り流し見ていた。



そしてその中に、死ぬほど見たくない写真が現れて

見た瞬間、吐き気に襲われてトイレに駆け込んだ。



その後は、涙が止まらなくて。



こんな状態で黒尾さんには会えないと思ったから。




ボーッとする頭を動かして、すみませんって。


そしたら黒尾さんからの電話。

ちゃんと話せる自信なんかなくて。


見て見ぬふりをしてしまった。



だけど、一人でこの気持ちをどう処理したらいいのかも分からなくて。



次の電話は、つい出てしまった。



助けてなんて言えないけど。

助けて、って。




その後は黒尾さんはうちまで来てくれて、ただ私が落ち着くのを待ってくれて。


俺はどうしたらいい?

帰った方がいい?一緒にいてもいい?って。



いつだってそう。



黒尾さんは私を優先してくれて


その優しさに甘えてしまった。



一人でいたくないって、つい漏れてしまった言葉。


そしたら、私が嫌じゃなければ、今から海に行こうって。


無理に話す必要はないし、気なんて遣う必要もない。

ただ、隣に座ってくれてたらいいよって。


その言葉にまた甘えて。




黒尾さんの車に乗ってから、何を話せばいいのかもわからない私は、ただ横に座らせてもらっている。





本当に、なんでブロックしてなかったんだろう。

ちゃんと自衛しないと。

アホすぎて笑いたいのに、笑えない。



何を考えたらいいのかもわからずに、本当にただボーッと流れる景色だけを見ていた。
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