第1章 はじまり
ただ、次の日に会社で仕事している自分に気づいた時、驚いたことは覚えてる。
それから1週間。
電話を鳴らしても出てくれることはなく
メッセージを送っても既読が付くこともなかった。
ぼーっと1週間が過ぎて、また休みがきて
家でひとり、ぼーっとSNSを見ていると。
指輪をはめた手でお腹をさわる "ストーリー"
そして
「婚約」
「あと、もう一人 家族ができます」
という小さい文字。
左手の薬指。
後ろに写っている
よく知っている
一緒に選んだ、モノクロのポスター。
あーーーー、そういうこと。
はっ。
最悪。
なにやってんの?
バッカじゃない?
なんで?
ほんっとにバカじゃないの?
誰が?
あの人が?
だよね?
だけど
それだけじゃない。
私も。
なーんにも気付かなかった。
ただ、信じて
この人とこれからも一緒にいれて、幸せだな
なんて。
そんなこと、思ってた。
だけど、何も知らない私を見て、あの子は笑ってたんでしょ?
二人で、笑ってたんだ?
ほんっとうに。
間抜けすぎて、どうしようもない。