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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第6章 海(の前)


佐藤に好きだと告白紛い、というか勢い任せの告白をしてしまい、デートに誘った先週。


そして土曜日。


海に行きたいと言った佐藤のリクエストもあって、洗車をして改めて掃除もした。

元々綺麗にはしているつもりだったけど、もっとちゃんと掃除をしたくてハンディ掃除機を新調した。


これがめちゃくちゃいい。

せっかくなら、もっと早くに買えばよかったってくらい重宝している。



しっかり掃除機もかけて準備をして。

教えてもらったコンビニまで車を走らせる。

約束の11時まではあと20分。


少し早めに着きすぎたかな?

遠足前の小学生みたいだなって、一人で笑ってしまった。


コンビニでお茶を2本とガム、あと佐藤がいつも食べているチョコレートを買って。

もう少ししてから連絡を入れようかな。なんて思いながら車に戻って。


とりあえず時間を潰すためにスマホを取り出すと



【すみません。体調悪いので今日難しいです】



………え?



朝から連絡した時は、時間や場所の確認もして。

その時は、大丈夫だった、はず。



とにかく電話を鳴らす。



………だけど、出ない。

コール音だけが永遠と響いて、とりあえず終話をタップする。



少し時間を開けて、もう一度。





『………はい』



「あ、佐藤?体調大丈夫?」



『すみま、せん………』



「いや、謝らなくていいよ」



『……み、ませ、ん………』





明らかに様子がおかしい。

いや、体調悪いって言ってるけど。



だけど





「大丈夫?もしかして、泣いてる……?」



『すみま、せ………』





グズグズと鼻をすする音も聞こえてきた。

確実に泣いている。





「何があった?今どこ?家?」



『家、です……』



「家?

……行ってもいい?行ってもいいならマンション名教えて?」





ただ、返事は返ってこなくて。

深入りしすぎか?なんて一瞬考えてしまったけど。


だけど泣いている佐藤をそのままにしておくことなんかできなくて。
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