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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第75章 ウェディングドレス.2


「で。

あ、ヤバい。黒尾さんの地雷踏んじゃったカモ。って。


それで、結局違いましたけど

別れるきっかけは私が会社で泣いて、

黒尾さんに酷い態度をとったことだと思ってたんですけど。


実はあの日から。

ここの前を通った日から


少しずつ、何かが狂いはじめていたのかな、とか。


でも、それだけは考えたくなくて。


もしそうだったら

私が楽しかったな。とか

大切にしたい、と思った時間は


実は黒尾さんはそうじゃなかったのかも。って」





思い出すだけでも、息が詰まるような記憶。





「でも、それは耐えられそうになかったから

考えないようにしたし、


黒尾さんのことがまだ好き、

とか、


なんでこんなことになったんだろう。って、


誰かに話を聞いてもらう時。


この話だけは、したことがなかったんです」



「………そっか。

そんなこと思わせて、ゴメン」



「ううん。ただ、今日黒尾さんが連れてきてくれて。

どこかに、ちょっとだけ引っかかってたかもしれないこと

全部なくなった気がします。


ありがとう、ございました」





ずっと私の中にあった

目を背けて気づかないふりをしていたキズは



目を背けるからいつまで経ってもそこにあった。




だけど今日

やっと、なくなった。





「………あの時、見ていくべきだったなァ」



「黒尾さんが大切にしてくれた時間だから

今日でよかったです」



「遠回りしてゴメンな?」



「ううん。今が一番幸せだから。

黒尾さんは?」



「ウン。俺も」



「じゃあ、よかったです」
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