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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第75章 ウェディングドレス.2


「前にさ、ここの前一緒に通ったの。

覚えてない?」



「覚えて、ます」



「そう?その時にさ、奈々がドレス見て

綺麗だなって言ってたんだけど。


俺、一年間の出張決まって

でもその時ソレ、奈々にはまだ言ってなかったし。


それにこういうとこって、

プロポーズもせずに入るのは

奈々に対して、無責任だよなァって。



でも、プロポーズしたら。

絶対連れてきたいなって思っててさ。



なんかそんなこと考えてたら随分時間かかっちゃって」





ゴメンな?って黒尾さんの言葉に


ただフルフルと首を横に振る。





奥の席に通されて


二人並んで座る。





「少々お待ち下さいませ」



「ハイ」





お姉さんには黒尾さんが返事をしてくれる。



声が、出せない。





黒尾さんに対してもいい加減


何か、言わなきゃと思うけど。





今、声を出すと涙が溢れそうで





それを必死に堪えることで精一杯。






ただ、無言の私に

黒尾さんも黙って付き合ってくれる。




そんな黒尾さんも好き。





飲み物をいただいて、一口



口にして。





ひとつ、



ふたつ、



みっつ。





小さく深呼吸





「…………黒尾さん」



「んーーーー?」



「ありがとう、ございます」



「んーん。

本当はもっと早く連れてこれたらよかったんだけど」





また、フルフルと首を横に振る。





黒尾さんだけのせいじゃ、ないのに。
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