第74章 海で.2(黒尾)
「指輪を準備してくれてたってことは
今日プロポーズするつもりだったんですか?」
「まァ、そーねぇ」
一度は延期と思ったけど
「なんか、私の話の流れから言わせちゃった感あったんで
指輪が出てきた時はビックリしました」
「どこで言おうかなって考えてた結果、ココでした」
「そっか。でも本当に嬉しいです。
ありがとうございました」
左手を空に掲げて
眩しそうに、
そして嬉しそうにする奈々。
「あ、でも。
なんで指輪の号数わかったんですか?
すごいピッタリ。
たまたまですか?」
「んーん。ちゃんと知ってたよ」
「え?!なんで?!」
「原田に、協力してもらいました」
「…………いつ?」
「前、原田と一緒に
指輪の号数測ったこと、ない?」
「…………え?!」