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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第70章 翌々日(日曜日のお別れ)


「………今日は

お時間ありがとうございました」



「ううん。こちらこそ。わざわざありがとう」



「………お元気で」



「奈々ちゃんもね?」



「………はい」





唇をギュッと噛む。




一静さんが席を立って

伝票を取る。





「今日は、私です」





一静さんと会う時

私たちは交代でお会計を済ませていた。



一静さんはいいって言ってくれてたけど、

私が嫌だと言い張って。



じゃないと、誘えないでしょ?




そして、今日は私の番





「最後くらい、カッコつけさせて?

って、コーヒー一杯だけど」





最後だと思ってここへ来た。




今日が最後、なんだけど。





唇を噛み締める。





「………ありがとう、ございます」





こんなお別れは初めてだった。





泣くな、泣くな、泣くな





「………じゃ」



「…………お元気で」



「うん。ありがとう」







最後まで、優しい人だった。





今日で最後の大きな背中を見送る。





いつもはもう一度、振り向いてくれるんだけど



今日は、振り向いてくれなかった。
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