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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第70章 翌々日(日曜日のお別れ)


「私ね、元彼のことが大好きで。

だから、別れた後、すごくすごく。

しんどかったんです。


だけど、いつまでも泣いてるわけにもいかないから、

頑張って忘れる努力をして。


それで、ちゃんと。

一度はもう大丈夫。ってなったんです」





少し前までの日々を思い出す





「そうなれたのは、一静さんのおかげでもあって。


だけど、本当に些細なきっかけだったんですけど

あぁ、やっぱり好きだなぁ。って。

そう、思うきっかけがあって。


でも、好きだと思っても

もう伝えることはできないから。


そっと、心の中で大切な気持ちとしてとっておこうって。

そう、思ったんです」



「うん」



「だけど、友達に。

ちゃんと話せって言われて。

そんなの無理って思ったし、話す気なんてなかったんですけど。

でも、それでも話せって言われて」



「うん」



「話して、よかったです。

もし、今みたいに戻れなかったとしても。たぶん」





返事は、ない。





「一静さんがどんな恋愛をしてきて

何に傷ついているのか。


分からないですけど。


だけど、私は一静さんのことが好きだから。

なんか、今の私が言うのも嫌な感じかもしれないですけど。


それでも。


幸せに、なってほしいです」





眉が下がる





「俺も、奈々ちゃんのこと。好きだよ」



「でも、それは

元カノさんに対しての好きとは、違うでしょ?」



「………そうだね」





雨足が強まる



窓際に座る私たち





私たちの間に


雨の音が、無性に響く。





「一静さん」



「ん?」



「幸せに、なって下さい」





やっぱり返事は、返ってこなかった。
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