第68章 その後.2
本当に
「ほんとにな?けどもうお前を離したくないと思っちゃったから
なんか、慎重になる。
情けねーよな?ゴメンな?」
黒尾さん、謝ってばっかり
「ねぇ黒尾さん?」
「ん?」
「覚えてますか?何かあった時
私に "謝るの禁止" って言ってたの」
「………よーく覚えてるよ」
なにかを懐かしむような表情
「よかったです。今日は私が言います。
黒尾さん、もう謝らないでください。
私も謝りませんので」
笑いながら言う私に
黒尾さんも一緒に笑ってくれた。
ダメだ
謝らないとは言ったけど
涙を止める方法は未だにわからない。
「じゃあ俺からも」
「はい」
「もう泣くな」
「それは、難しいです」
「えーーーーー?」
困ったように笑ってる。
「だって、嬉しい気持ちを止めるのは
もったいないでしょう?」
私のよくわからない言い訳に、また
唇が塞がれて