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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第63章 過去(黒尾)


ただ、次の日の夜


奈々から電話があって。





「昨日はすみませんでした」





そう謝られる声に、心底ホッとした。




謝るのは俺の方。と


お互い謝って。




久しぶりに、ちゃんと話すことができた。




そして何度もお詫びの言葉を入れる奈々に





「気にすんな。お盆休みは絶対一緒にいような?」





なんて言葉をかけて。




電話越しだったから、表情は見えなかったものの



だけど、安心したようなその声に


奈々以上に安心した。





お互い、あと一ヶ月。



あと一ヶ月頑張れば


お盆休みで、ゆっくり

一緒に過ごせる。





本当にそれだけを楽しみに


やり切れない要望や指示にも応えたし、

福岡と東京を何度も往復して。



今、自分がやるべきことを精一杯やった。




奈々もきっと頑張っている。


じゃあ、俺が頑張れなくてどうするんだ。




ただ、この前


"約束を破ってばかり" という言葉どうしても頭に残って




こんな状態だから、たぶん


約束をしても、また破ることになると思う。




だったら最初から約束はしない方がいい。





会いたい。



一緒にいたい。




奈々に触れたい。





だけど


あとたった一ヶ月



なんなら、東京の仕事は7月いっぱいで終わる。




あとたった一ヶ月、我慢すればいい。





そう、思っていた。
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