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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第61章 6月上旬(おにぎり宮.2)


「やっぱりそうだったんですね」



「え?」





赤葦さんから返ってきた言葉は


"やっぱり"





「いえ。先日そちらで黒尾さんと会った時

二人の様子に、なんとなく違和感というか」



「………スミマセン」





そうならないように

最大限の努力をしたつもりだったけど。



だけど、ダメだったみたい。





あーーーーーー。





「別に謝られることではないですけど。

ただ、納得しました。


そして黒尾さんのことがまだ好きなんですね」



「………はい」



「ただスミマセン。

正直、以前話を聞いた時は

そんな風には感じなかったというか」





赤葦さんが言っているのは、たぶん

おにぎり宮で初めて赤葦さんに会った時。



初めて、誰かに黒尾さんとのことを話した時。




だと思う。





「ですよね。あの時はもう、完全に吹っ切れたー!って思ってました。


だけど、いろいろあって。

いや、別に何もないんですけど。


私の中で、あぁ、黒尾さんのことやっぱり好きだなぁ。って思っちゃって」





そうなんだ。


思ってしまったんだ。





「別れる前からずっと相談に乗っててくれた人がいるんですけど

その人に、一回ちゃんと話せって言われて。


私も話せるもんなら話したいですけど

ただ、そのきっかけを作るのがまず無理っていうか。


どうしたらいいのかわかんなくて。


………というここ毎日です。スミマセン」





言ってしまったことはしょうがない。


息つく暇なく一気に話す。





はぁ。



最悪。





「佐藤さん、プライベートの連絡先って伺ってもいいですか?」



「え?」



「あ、無理にというわけではないです。

ただ、時間も時間なので、

また別の日にご飯でもどうかなと思って」



「赤葦さんが大丈夫なら、ぜひお願いします」





なんとなく、経験豊富そうなこの人は


どうにかしてくれるんじゃないか?なんて。



こんなこと、人に頼るのはあんまりよくない。




ただ、何日考えても結論が出ないことに関しては、

人に頼った方がいい時もあるよね。





ウン。
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