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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第59章 5月中旬(海)


「どうだろうな~?他に車いないけど。

見れるといいな!」



「うん」





海まで続く道


アキくんがスマホで足元を照らしてくれる。





「……………っわ!」





だけど小さな段差に気づかずに

つい声を出してしまった。





「おい、気をつけろよ?」





そう言って手を差し出してくれて


素直に繋ぐ。





だけど、繋いだ後に思う。





ウン、失敗





なんだか、ザワザワとした気持ちになった。







こんなはずじゃなかったのに………




一年半ぶりの波の音に

いろんな感情を思い出して





心を揺さぶられる。





砂浜まで出ると





「………わぁ」





思わず声が漏れたのは


波打ち際が、キラキラキラキラ輝いていたから。





「え?!コレそうだよね?!」





私たちの今日の目的





「たぶんなー!目ぇ覚めてきた?」



「あ、ウン。ごめんね?」





私がずっと眠たくて不機嫌だと思っていたアキくんにお詫びする。





「そ?ならよかった」





呆れたような、困ったような

そんな表情から笑顔に変わって




アキくんのこの表情が好き。


ずっと変わらない。





「………ちょっと」





そう言いながら

砂浜の途中でスニーカーを脱ぐアキくん





「私も~!」





真似してスニーカーを脱いで、アキくんを追いかける。





「わぁ………!」





濡れた砂浜を歩くと


歩いた部分もキラキラキラキラ輝いて





「わぁ!見て!キレイ!」





しぶきを上げると



空に放り出されたしぶきが



キラキラキラキラ輝いた。





思わず笑顔になる。





「めちゃくちゃキレイだな?!」



「ね?!今日が正解だったんじゃない?!」



「だな~!」





そんなことを言いながら

しばらく二人で波打ち際で遊んだ。




すごく、楽しかった。
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