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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第46章 9月2日


……………いろんなことはすぐ忘れるのに




黒尾さんのことは、全部



覚えてる。





思い出さなくていいのに。





なぜか飲みたくもないカフェオレのボタンを押してしまった私は


得意でもないのに無理やり体に流し込んで、



そっとその場を離れた。





こんなところにいたら黒尾さんのことを思い出してしまう。





………休憩、もういいや。





どこにいても、黒尾さんのことを考えてしまう。





だったら仕事してた方がずっといい。





「あれ?早かったね?」



「あ。返さなきゃいけないメールがあったんで」





早めに休憩から戻ってきた私を

不思議そうに課長に問われるけど



笑顔で返す。





別に、そんなメールないけど。



いつも通りの自分で、淡々と業務をこなしていく。





………頭痛い


たぶんさっき、カフェオレ飲んだせいだ。





カフェインは常に過剰摂取


コーヒーは苦くて飲めない



だけどそれ以外に

コーヒーのカフェイン以外の何かも、私の体に合わないらしい。





もうずーっと飲んでいなかったから

そんなことも忘れてた。



久しぶりに自分の体について思い出す。





………はぁ。





デスクの引き出しには常に薬が入ってて



鎮痛剤を取り出して、


吐き出したため息と共に流し込む。





「佐藤さん大丈夫?体調悪い?」





今、薬を飲んでいるところを課長が見ていたらしく





……………。





「あ、実はちょっと」





半分は、本当だもん。





「朝から顔色悪かったもんね。

今日どう?急ぎの仕事ある?」





そうだったんだ。



知らなかった。





「………これが終われば、特には」



「申し訳ないけど、そこまではいい?

それ終わったら早退しな?」



「………すみません」



「ううん。こっちこそずっと無理させちゃっててごめんね。

届けだけ書いて持ってきてくれる?」



「わかりました。本当にすみません。

ありがとうございます」

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