第42章 お盆休み(覚悟)
まぶたは重く、日頃の疲れも
溜まりに溜まっているはずなのに、
目を閉じると、黒尾さんと一緒に過ごした
楽しかった日々がフラッシュバックして。
いい加減枯れてもよさそうな涙が、
また、溢れた。
そして、どんどん
頭の中は冴えていく。
「…………アキくん?」
「………んー?」
「寝た?」
「半分。奈々は?」
「私も半分」
「早く寝ろ。起きててもロクなこと考えないだろ」
ごもっとも。
だけど、眠れなくなってしまって
「………ねぇ、アキくん?」
「んー?」
「今日だけ手、繋いで寝てくれない?」