第42章 お盆休み(覚悟)
アキくんにそう言ってもらって、
覚悟したくなかった、覚悟ができた。
…………半分だけ。
あと半分は、
まだ、出来てない。
……………実はあれは
黒尾さんではなかったんじゃないか?って。
世の中にはそっくりな人があと2人いるっていうし
実はあれは、黒尾さんじゃなかったのかも。
………………。
でもあれは、
黒尾さん、だったじゃん。
……………はぁ。
寝慣れないベッドの上で、ひとり寝返りを打つ。
あの後もアキくんは、グチグチグチグチ言う
私の話をひたすら聞いて、
まだ泣き飽きない私をなだめて、
たまに諭して。
気づけば普段だと考えられないの本数の缶が空いていたし、
ついでに2人で日本酒も空けていた。
時間も時間になったから、
帰る。と言う私に、
今から帰るの無理だろ。と言われ、
そのまま泊めてもらうことにした。
2人しかいない男の人の家に泊まっていいのか?と理性が問うけど、
今から帰るのは無理でしょ。って体が反論して。
残念ながら理性だけでは体は動かなかった。
ただ、何もしねーよって言ってくれた
アキくんの言葉を信じて。
あと、ベッドは譲ってくれて
アキくんは床に横になっている。