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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第41章 お盆休み(木葉)


元彼の時


真っ暗闇の中、



独り、どうしていいかわからなかった。





でも、そこから引き上げてくれたのが黒尾さんで。



でも、今度は黒尾さんは助けてくれない。





黒尾さんがいなくなったら

私はどうすればいい?




………だったら、我慢して


何も知らないフリをして。




黒尾さんに一緒にいてもらった方が、

いいんじゃないかって。





馬鹿だと思う。



そんなの自分が一番わかってる。




だけどやっぱり



独りになるのが、




どうしようもなく、怖い。





「ひとりじゃねーよ」



「独りになるじゃん」



「俺がいるよ」



「え?」



「飯食いたい時、話したい時、

ひとりでいたくない時。俺に連絡すればいーよ」



「いや、でも」



「これ以上迷惑かけれないとか?(笑)

お前の迷惑なんて今に始まったことじゃないし。

バイト先でどれだけ尻拭いしたか忘れた?(笑)」



「…………忘れてません」





本当に。



高校生だった私は、

ありとあらゆる迷惑をかけ倒した気がする。




そしてまさに今も。





「な?今さらじゃん(笑)」





そう笑いながら缶ビールを飲むアキくんを見る。





「別に俺、今彼女とかもいないし。

奈々、兄弟いたっけ?」



「うん。妹」



「じゃあ俺兄ちゃんになるし」





アキくんの笑顔はあの頃から変わらない。





「………実は勝手にそう思ってました」



「じゃあそれでいいじゃん。

妹が無理してそんな最低なヤツと付き合ってるなんて、

兄ちゃん見てらんねーよ」





さっきまで笑ってたのに、

今度は困った顔で私を見るアキくんと、目が合う。





「すごい、連絡するかも」



「どーぞ」



「毎日するかも」



「いつもすぐには返せねーぞ?」



「それはいいんだけど」



「じゃあ大丈夫」



「…………いいの?」



「いいって言ってんじゃん」





……………。
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