• テキストサイズ

【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第41章 お盆休み(木葉)


「あのね、仕事がね、大変だったの。

私も、彼氏も」





私の唇から


ポツリ、ポツリと



言葉がこぼれる。





「うん」





ただ、一度溢れ出た言葉は、


それからは息つく暇もなく



一気にこの2ヶ月間のことを話して





「なんであの日、あんなこと言っちゃったんだろう。

なんであんな態度、取っちゃったんだろう。


私がもっと大人だったら、

こんなことにならなかったんじゃないかなって。


もっと仕事ができたら、

もっと余裕があれば、


もっと、黒尾さんのこと考えられてたら………。


今、こんなことになってなかったんじゃないかって。


毎日毎日、

ずーーーーっと同じことを考えるけど」




あの日からこればっかり

だけど、グルグルグルグル言葉だけが巡るだけ。



そして





「…………だけど、もう遅いって。


……………謝っても、ダメだった。

ほんとに、なんで…………うぅ」





ボロボロと涙を零しながら話す私に

ただ、相槌だけを打って聞いてくれた。





「とりあえず、やっちまった事は変えられないからなぁ」



「そんなの、

私が一番わかってる………」



「ウン。だから "ゴメン" って言葉があるんだろ?」



「そうだけど、それでもダメだった………」





謝って、許してくれたフリをされたけど



許してもらえてなかった。





私はそれだけ


黒尾さんに嫌な思いをさせてしまった。





「でも、謝っていいよって言ったのにソレじゃあ。

ソレはソイツが完全に悪いだろ」





……………。





「お前は彼氏と、どうしたいの?」





………………。





どう、したいのかと聞かれると、



………わからない。





仲直り、したい。




できれば


1ヶ月前の、あの日に戻りたい。




だけどそれは、無理だから。





………じゃあ


何事もなかったかのように、一緒にいたい?




私じゃない、


別の女の人の肩を抱いていた黒尾さんと?





一緒に、いれる?





一緒に、笑える?







……………信じられる?
/ 355ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp