第41章 お盆休み(木葉)
「あのね、仕事がね、大変だったの。
私も、彼氏も」
私のほとんど動いていない唇から
ポツリ、ポツリと
言葉がこぼれる。
「うん」
ただ、一度溢れ出た言葉は、
その後は息つく暇もなく。
一気にこの2ヶ月間のことを話して
「なんであの日、あんなこと言っちゃったんだろう。
なんであんな態度、取っちゃったんだろう。
私がもっと大人だったら、
こんなことにならなかったんじゃないかなって。
もっと仕事ができたら、
もっと余裕があれば、
もっと、黒尾さんのこと考ることができてたら………。
今、こんなことになってなかったんじゃないかって。
毎日毎日、
ずーーーーっと同じことを考えるけど」
あの日からこればっかり
だけど、グルグルグルグル同じ言葉だけが巡るだけ。
そして
「…………だけど、もう遅いって。
……………謝っても、ダメだった。
ほんとに、なんで…………うぅ」
ボロボロと涙を零しながら話す私に
ただ、相槌だけを打って聞いてくれた。