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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第2章 食事へ


「そりゃよかった。

じゃ、今日は美味しい料理とお酒、堪能しよう」





にっこり笑ってくれる黒尾さん。

仕事ができる人って、結局なんでもできる人なんだなって。


感心して、改めて尊敬する。



仕事のこととか、あとは恋愛以外の今までのこととか。

美味しい料理をいただきながら、普段できない話をした。



黒尾さんが学生時代バレーをしていて、最後の大会で全国大会に行ったって聞いて、びっくりした。



お酒も進んでせっかくだから。

会社じゃ聞けない質問をしてみる。





「黒尾さんって、彼女とかいないんですか?」



「んー?残念ながら」



「すっごい意外です」



「なんで?」



「だってめっちゃ人気ですよ?

人気っていうか、黒尾さんとお付き合いしたいって思ってる人、多分社内にすごいいます」



「ハハッ。知らなかったなー」



「だから作ろうと思えばすぐにできると思いますよ?

実はあんまり興味ないんですか?」



「いや?興味はすごくありますよ?」



「どんな人がタイプなんですか?」



「んー。一生懸命な人、かな」



「すっごいざっくりしてますね」



「そう?佐藤は?」





私は………。





「私、実はそういうのあんまりわからないんです」



「どういうこと?」



「………私のおもしろすぎる話、聞いてくれます?」



「うん。もちろん」





これまでの9年間と、ここ最近の出来事。

初めて人に話した。


私が一気に話すのを、黒尾さんはただ頷きながら聞いてくれた。





「だから私、ほんとに元彼しか知らなくって。

別に元彼がいたから、他にいいなって思うこともなかったし。

まぁ、元彼は違ったみたいなんですけどね(笑)」





「……よく頑張りました」



「ほんとは、会社休みたいなって何回も思ったんですけど。

家を出さえすれば、仕事してた方が気が紛れてよかったです。


………すみません。こんな変な話して。

実は初めて話しました」
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