第2章 食事へ
「なんか意外だよな」
「よく言われます。ビールもコーヒーもめちゃくちゃ飲んでそうって。
だから飲めないっていうといつも驚かれます(笑)」
「じゃあ俺も漏れなくその中の一人ってことね」
「ですね(笑)」
「あと辛いのも苦手って」
「ほんとに味覚が子供なんだと思います。
損してるんだろうな~って思うけど、無理に克服しなくてもいけるかな~って」
「ま、無理に克服する必要はないと思うよ。
コーヒーとビールは美味いけどな」
「黒尾さんはいつもコーヒー飲んでますよね?ブラックですか?」
「そうデス」
「やっぱり大人ですね~!てか今日ほんとすみません」
「何に対して?」
本当に謝ることがありすぎる。
「えーっとまず、昨日気遣って誘ってもらってスミマセン。
そして、それを忘れていてスミマセンでした」
「正直でよろしい」
「や、ほんとスミマセンでした」
「ただ、誘ったのは気を遣ったからじゃないよ?
俺が誘いたかったから誘ったの。
って結局予約取れなかったんだけど(笑)」
「でも嬉しいです。あんまり一人でもいたくなかったので……」
あ、やば。
まだグラスのアルコールは半分もなくなってないし、なんなら料理は出てきてないのに。
なんでこのタイミングでこんなことを口走ってしまったんだろう。
もし言うにしても、完全にまだじゃん。