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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第40章 お盆休み


8月前半も目まぐるしく過ぎ

待ちに待ったお盆休み!





になるはずだったんだけど。





あんなに嫌で嫌でしょうがなかった

というか今でももちろん嫌でしょうがないんだけど。



それでも会社で仕事をしていた方がマシだと思うなんて。




私の人生、最近ハードモードすぎない?





お盆休みは黒尾さんと一緒に

温泉に泊まりで行こうって、

2ヶ月前から約束をしていた。




だけど、あの日

黒尾さんが、知らない女の人の肩を抱いているのを見てしまって。




何事もなかったかのように会うなんてできなくて。





実家に帰らなきゃいけなくなったって嘘をついて

旅行は中止にしてもらった。



キャンセル料は払いますって言ったけど、

まだキャンセル料はかからないから

心配しないで大丈夫だって言われた。



黒尾さんに任せっぱなしだったから

それが本当か嘘かはわからない。





だけど、この優しさと「残念」って言う言葉が、


もう全て

偽りに聞こえて。





何も信じれなかった。





そして、アキくんにはあの後ちゃんとお詫びした。




電話でざっくりと今の状況を説明すると

お盆休みの予定がなくなったなら、飲みに行かね?って。



家にいても、たぶん泣いているだけだったから

お兄ちゃんに甘えることにした。





アキくんとの待ち合わせ場所



………ちょっと早く着きすぎた。





世の中がお盆休みの期間中

普段以上にめちゃくちゃ人が多い。




そして人混みを見ると、あの日を思い出す。






………なんであそこで待ってたんだろう。




なんでもっと早く

仕事を終わらせることが出来なかったんだろう。






なんで、




なんで、




なんで…………





もし、あの日

あの時間に私があの場所にいなくても、


黒尾さんが女の人と一緒にいた事実は変わらない。




だけど、知りたくなかった。



何も知らずに、今日一緒に旅行に行きたかった。





惨めで間抜けだとしても、



やっぱり。






黒尾さんも結局そういう人だったってこと、






知りたく、なかった。
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