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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第37章 7月(会議室で)


「………なんで?」





なんでって、

仕事だってわかってる。





「さっき、急に決まって」



「…………久しぶりに、黒尾さんと一緒に、過ごせるの。

楽しみに、して、た、のに………」





そのためだけに

今週も頑張ったし、


今日も頑張ろうって

そう、思った矢先だったから。



ショックが大きすぎる。





「…………先週も、でしたよね」



「…………ごめん」



「………黒尾さん、本当は私と一緒にいたくないんですか?」



「は?」



「…………だって、約束。破ってばっかり。

私はこんなに一緒にいたいのに。

黒尾さんは、そうじゃないんですね」



「違う。そんなわけない」



「…………じゃあなんで先週も今週も?!」



「…………………。」



「ほら、やっぱりそうなんじゃないですか?!」





違う。



こんなこと、

言いたいわけじゃない。




だけど、今の私に


余裕なんてもうどこにも残っていなくて。





「……………なんか来てもらってすみませんでした。

仕事戻ります。失礼します」





これ以上一緒にいたら、もっと

酷い言葉を掛けてしまいそうで。




だけど





「待てって!」





右腕を強く掴まれる。





「…………離してください」



「その前に、ちゃんと話そう」



「…………早く戻ってマニュアル読まないと。

明日の朝までに、間に合わなくなっちゃいます」





黒尾さんの目は見れない。



ただ、私の言葉に右腕に感じていた痛みは

少しずつなくなって。



黒尾さんの手が、離れる。




ドアノブに手をかけて





「………帰り、気をつけてください」



「………終わるまで、一緒に残ってるから」



「それだと飛行機間に合いませんよ?」



「…………また、後で連絡する」



「大丈夫です。この1ヶ月、ずっと一人だったんで。

じゃ、ありがとうございました」





ドアが閉まる時


黒尾さんの声が聞こえたけど





何を言っているのかは、わからなかった。
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