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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第34章 週末、最終便で(お風呂)


お互いに背中を流し合って、狭い浴槽に私は体育座りをして


二人向き合って入る。





「黒尾さん。質問してもいいですか?」



「ハイ。どーぞ」



「黒尾さんが最近元気がないのが、心配です」



「………質問、じゃねーなぁ」





呆れたように笑う黒尾さん。



………ほんとうだ。





「すみません。私の気持ちを言っただけでした」



「んーん。心配かけてゴメンな?」



「本当です。私は黒尾さんが一人で苦しい思いしてるの、嫌です」



「………ゴメンな」



「………何に、対してですか?」





黒尾さんを困らせているかもしれない。


そう思いながらも

黒尾さんのことを知りたくて。




心がギュッとなる。



 

「俺が情けなくて」



「………ごめんなさい」



「それは、何に対して?」





困った顔の黒尾さんが、今度は私に問いかける。





「黒尾さんが、言いたくないかもしれないこと、言わせて」



「んーん。言いたくないことはないんだけど。

ただ、カッコ悪いじゃん?」





困った顔はそのまんま。





「黒尾さんがカッコ悪かったことなんて、ないです」



「ホントに?」



「はい」



「じゃーなおさら」





黒尾さんの表情に、心が押しつぶされそうになる。





「………でも」





なかなか次の言葉が出てこない。




………ううん。



言いたい言葉はわかっているけど、

だけと、それは言葉にせずに我慢してきた言葉だから




ただ、黒尾さんはいつも通り、

私の言葉を待ってくれている。





大きくひとつ、深呼吸





「私はやっぱり、黒尾さんが一人で苦しいの、嫌です。

だから、話してくれないかなって思ってたけど、


………でも、話してくれたからってたぶん何もできないのはわかってます。

だから、黒尾さんが話してくれる時に聞こうって思ってたけど」
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