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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第33章 週末、最終便で


「…………いや、てか」



「どうかしましたか?」





何事も、ないように





「いや、なんかゴメン」



「なにが、ですか?」





…………やば。失敗したかも。





今週はじめ


お昼間に黒尾さんから電話があったあの日。




約束通り、夜

電話はあったんだけど



結局黒尾さんが何に参っているのか。




ただ、黒尾さんが話したいときに話してほしいなって思って

私からは聞かなくて。




で、結局話してはくれなかった。





普段は電話はそこそこだけど

その日からとりあえず毎日電話でも話して。



ただ、やっぱり元気がない黒尾さんのままだった。





そして、なんで元気がないのか未だに分からず仕舞い。



今まで黒尾さんから何度か一緒にお風呂に入ろうとお誘いを受けたことはあったけど


だけど、なんだか恥ずかしくてずっと断ってきた。




でも、こんな黒尾さんを見ていられなくて



どうしたら話してくれるかなって、

私なりに一生懸命考えてみて。




今の黒尾さん家のお風呂は広くはないけれど


でも、一緒にゆっくりお湯に浸かって。



少しでも、モヤモヤとしたものを吐き出してくれないかなって。




思ったんだけど。





ヤバい。



完全に一人で突っ走りすぎたかも…………。





「いや、気ぃ遣わせて。まじでゴメン」



「気を遣うって、何にですか?」



「いや。こうやって来てもらって。

で、今まで一緒に風呂、嫌だって言ってたのに。こうやって」





困った顔の黒尾さんに、なんだか私が泣きそうになった。




だけど私が泣いてもしょうがないから



下唇をグッと噛んで、我慢する。
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