第30章 一人の週末
で、日曜も一人で家にいたら危険だと思い
今日は一人でお買い物。
来週の黒尾さんとのデートのために
春物のワンピースを。
悩みに悩んで、結局2着購入。
いいの、いいの
黒尾さんに会う時は、少しでもかわいい自分でいたい。
そしてついでにパンプスも。
実はヒールの高いものが好きなんだけど、
もともと身長があるから
電車や街中で頭が出るのがなんとなく嫌で
最近はあまり履いていなかった。
だけど黒尾さんと一緒にいると
ヒールを履いても、それでもまだ
黒尾さんのことを見上げて話せて。
だからこの数ヶ月、
またヒールの高い靴を履ける機会が増えて、実はすごく嬉しい。
で、今日一番の目的地へ
黒尾さんの、
いや、今は私もか。
黒尾さんと私がお世話になっている香水屋さんへ。
前回黒尾さんと一緒に来た時は、たくさんの香りを試したけど
今日はもう買いたいものは決まっている。
黒尾さんのマンションは、
1年って期間が決まっているからって、そのままにしてある。
だけど、今までよりは
お邪魔する頻度は、グッと少なくなるだろう。
だから
黒尾さんの寝室と同じ香りを。
…………あぁ、
早く来週末にならないかな。