第30章 一人の週末
3月の残りは、黒尾さん含む送迎会と
年度末の慌ただしさであっという間に過ぎていった。
そして、黒尾さんがフロアからいなくなって約2週間
異動は4月1日からだけど
結局準備とかで3月下旬には福岡へ。
で、今度は年度始めの慌ただしさで
やっぱりあっという間に1週間は過ぎて。
週末
金曜の夜、今度は歓迎会
課長と日本酒トークで盛り上がりながらも、
黒尾さんと約束したから、
そこでは飲まずにやり過ごした私。
すごく、えらいと思う。
黒尾さんに褒めてもらおっと。
で、先週から土日は特に予定もなく
ダラダラとした週末を過ごす。
先週は、
あ~~この感じ!久しぶり!
なんて
ちょっと思ってみたりもしたけど。
昨日夜、
お風呂に入る時
鏡に映った自分に違和感。
黒尾さんと付き合いはじめてから
消えることがなかったキスマーク
それが、黒尾さんと付き合う前の状態に。
別に毎日連絡は取ってるし、日常は忙しいし。
黒尾さんと付き合う前は
元々頻繁に会いたいって思うタイプでもなかったし。
だから、まだ黒尾さんがいなくて
寂しいとか、そういうことは
思ったりしたことはなかったんだけど。
この瞬間、思った。
突然の感情にびっくり。
さっきまでは普通だったのに。
どうしよう。
会いたくて会いたくて、
堪らなくなってしまってる。
来週末は、金曜の最終便で黒尾さんがこっちに帰ってくる予定。
たったあと1週間なのに
それが、遠い。