第29章 無事に(報告)
「あーーーーーーー!安心した!」
「そんなに心配してたんですか?
ちなみに辞令出たのっていつだったんですか?」
「1週間前」
「なんですぐに言ってくれなかったんですか?」
「初めて担当任されて、一生懸命頑張っているお前に
余計な心配、というか余計なこと考えさせたくなかったから。かな」
私のこと、考えてくれてたんだ。
嬉しい。
「お気遣い、ありがとうございました」
「今の感じだと、言っても問題なかったかもしれねーけどな」
「黒尾さんのお気持ちが嬉しいので、今聞けてよかったです!」
「そうですか?ならよかったです。
けどな~~~~~~」
ベッドに倒れる黒尾さん。
なので横に寝転がる。
「どうしたんですか?」
「昨日のあんなにかわいい奈々チャン見たら、
やっぱり行きたくねーよなァ」
きっとこれは当分ネタとして引っ張られる。
「とりあえず私は、わからないからですね~」
だからもう、開き直った。
「じゃあ思い出す?」
「どうやって?」
「昨日の、再現しよっか?」
耳元でささやかれて
「大丈夫です!!!」
全力でお断りするんだけど
「じゃあ、新しいことしよっか」
「え?」
あっという間に組み敷かれて。
終わった後、黒尾さんに
「今日より昨日の方がやっぱりスゴかった」
って言われたんだけど。
今日もだいぶん盛沢山?な内容で
なんなら初めての経験がいくつもあったんだけど。
昨日はいったいどんな夜を過ごしたのか。
たぶん、私は
一生知らなくていいんだと思う。