第28章 無事に(翌朝)
………まじか。
昨日さおりが
「週末の開放感やばい」って言ってたけど
開放されすぎじゃない?
は?
とりあえず、穴があったら入りたい。
だけど、残念ながら穴はないから
布団の中に潜り込む。
だけど
「どーこ行くの?(笑)」
同じ布団の中の黒尾さんからは逃げられなかった。
ささやかな抵抗として
黒尾さんに背中を向けてみたけど、
残念ながら後ろからガッチリと捕まえられる。
「昨日は数々の醜態を晒し、大変失礼いたしました」
「醜態って~?(笑)」
「………肝心な部分が、記憶にございません」
まじで記憶に一切ございません。
「醜態なんて晒してなかったデスよ?
ぜーんぶ可愛かったし?」
それをきっと、醜態と呼ぶんだと思います。
「たーだ!」
よっ、と言いながら体の向きを変えさせられる。
腰が、痛い。
向き合って
「お前、外で日本酒飲むの絶対禁止な?」
「………はい」
「素直でよろしい」
「あ、でも課長とは?」
実は結構楽しみにしている。
「ダーメ」
「でも課長と飲む時は、絶対黒尾さんもいますよね?」
「……………。」
なんだか困った顔
「黒尾さん?」