第28章 無事に(翌朝)
カーテンから漏れる太陽の光に
朝が来たことを認識する。
時間を確認するために
いつも枕元に置いているスマホを手探りで探す
んだけど。
ない
あれ?
どこ?
ちゃんと探そうと、体を動かそうと
するんだけど。
「いったぁ………」
頭が少し、ズキンってする。
だけど、天気頭痛に比べると、全然イケる。
ただ、それ以上に
腰
え、なんで?
思い当たる節はなし
………なんで?
「ゔーーーーー」
生理痛のような、でもそれとは違う腰の重さ
というか、痛い。
まだ寝ている黒尾さんの横でモゾモゾと体を動かす。
「………あ、おはよ。大丈夫?」
「なんかめちゃくちゃ腰が痛いです………」
「あ、そっち?(笑)」
え、どっち?
「そっちって?」
「いや、二日酔いとかない?大丈夫?」
「あ。少し頭が痛い気もするけど、大丈夫です?」
「日本酒は残りにくいからな~。よかったな」
「あ、はい?」
なんだろう
そこまで飲んだとは思わないんだけど。
黒尾さんと若干、話が噛み合っていないような気もする。
そして、昨日の記憶を辿ると、
いつ布団に入ったのか記憶がない。
もしかして飲みながら寝ちゃったとか?
「黒尾さん、すみません。
もしかして私、昨日飲みながら寝ちゃいました?」
「え?」
「いや、布団に入った記憶がなくて。
もしかしたら、あっちで寝ちゃって
黒尾さんに運んでもらったのかな~?って思って」
「マジか~~~~~」
そう言いながら、なんだか呆れたように笑う黒尾さん。
「え?」
「昨日のこと、覚えてない?」
「お鍋したの、覚えてますよ?」
「いや、そのあと」
「お酒飲んで、寝ちゃった?」
「まじでなーんも覚えてねぇヤツか。
じゃあ服脱いで寝たってこと?」