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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第1章 はじまり



「んー、今度、飯食いに行こう」



「や、大丈夫です。ほんとすみません」



「いや?」



「イヤとかではなくって」



「行きたい店見つけたけどなかなか一人じゃ行きにくいから、一緒に行ってくんない?」



「あ、はい……」



「よし。今度空いてる日教えて?」



「あ、いつでも、大丈夫、です。予定、ないんで……」





自分で言ったのに、虚しくなった。





「じゃあ明日は?」



「大丈夫、です」



「よーし。じゃあ明日な。さっさと仕事終わらせるぞー」





そう言いながら伸びをして、笑いながらこっちを見ている黒尾さんに、上手く笑顔を返せなくて。





「しんどい時に無理に笑う必要なーし!」





やっぱり笑顔の黒尾さんを見て。

とっさに顔を背ける。





「……すみません」



「俺でよければ話聞くから。

話したくなければ、美味いものだけ食おう。な?」





ギリギリで涙は止めたけど。

困った顔をさせてしまった。



それからは特に何も話さずに二人で駅まで歩いた。





「帰り、気をつけろよ」



「はい。今日は本当にありがとうございました」


「こっちこそ、一人で頑張らせてごめんな。じゃ、お疲れ」



「お疲れ様です」





会釈をして黒尾さんとは反対の改札に向かう。


疲れた。

だけど今日は、久しぶりにちゃんと眠れる気がする。
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