第22章 バレンタイン(当日)
そうだった。
プレゼント、忘れてた。
寝室に取りに行って
「黒尾さん、これ。
ハッピーバレンタインです」
「えーーーーーー。バレンタインってそんなイベントなの?」
「はい。私から黒尾さんに感謝の気持ちを伝える日です」
ありがとうの気持ちを込めて。
「感謝、だけ?」
「え?」
「愛情も、伝わってきてるけど。
そう感じてるの、俺だけ?」
「………もちろん、ありったけの量込めてます」
そう答える私に、満足そうな黒尾さん。
「開けていい?」
「ぜひ」
プレゼントを渡す時は
ワクワクするけど、やっぱりちょっと緊張。
黒尾さんを想って選んだものだから
早く見てほしいなって気持ちと、
気に入ってくれるかな?使ってくれるかな?っていう気持ち。
「おーー!」
悪くない反応なんじゃない?
「黒尾さん、赤のネクタイが一番似合うなって思ってて」
何色でも似合うけど。
その中でも赤いネクタイの黒尾さんが好き。
「ウン。赤は気合入れなきゃなって思う色。
ホント、ありがとう」