第21章 バレンタイン(前日)
「なにそれ?」
「私コタツあったら絶対に動かなくなるから、やめなさいって(笑)」
「お母サンが言うなら、そうなんだろうな~(笑)
あ、じゃあうちに置く?」
「ほんとですか!置いてください!
あ、けどそしたら私黒尾さんの家から帰れなくなっちゃう(笑)」
ずーっといそう、まじで。
「いてもいいんじゃない?
来年はコタツ、検討しようかな」
「ぜひ前向きにお願いします!」
黒尾さんがコタツを検討するって言ってくれたことも嬉しいけど、
それ以上に。
いてもいいんじゃない?って言ってくれたことが
ものすごく嬉しい。
お鍋の締めに雑炊も作って
お酒も美味しいし、いい感じにほろ酔い。
「あ~。先にお風呂入っとけばよかった」
やっぱり面倒くさがりが発動。
お腹がいっぱいだと尚更。
「だな。いつもは先に風呂?それとも飯?」
「ご飯食べたい!って思いながら、頑張って!お風呂に入ります」
「頑張って(笑)」
頑張って!を強調する私に、黒尾さんが呆れてる。
「お風呂って面倒なんですよね。
入るのはいいんですけど、髪乾かすのがすごく面倒。
あーーーー。もう切っちゃおっかな~」
長く伸びた髪。
学生の頃、短い時期もあって割りと好評だった。
「切っちゃうの?」
「イメチェン?どう思います?」
「んー。ショートの奈々も見てみたい気もするけど
今の奈々も好き」