第20章 会社にて
今週1週間だけ、他部署にヘルプへ。
なんか派遣さんが一気に二人辞めたらしい。
というのもここの女課長がなかなか厄介で、
こういうことは、まぁまぁ起こる。
で1年目の時、社会勉強も兼ねて?
私とさおりがヘルプに出されて、その後は交互に行っていたけれど
今はさおりが担当を持ったからいつも私が。
ただ、お陰様で課長とは上手くやれているから、別に嫌ではない。
「佐藤さんごめんね~。
来てくれて助かる。よかったらこれ食べて?」
「え?いいんですか?ありがとうございます!嬉しい~!」
課長から私へ、お菓子の差し入れ。
ね?上手くやれてるでしょ?
「どういたしまして。で、ちょっと戻ってくれる?
打ち合わせしたいって内線あったから」
「わかりました。行ってきます」
なんだろう?と思いながらフロアへ戻って直属の課長の元へ。
二人でミーティングルームへ移動。
「佐藤さん、今回もヘルプありがとう。
で、本題なんだけど。この会社わかる?」
課長の手元にあった資料を差し出される。
「はい。たまにスポットで入ってくるとこですよね?」
たまーに短期で仕事がくる会社。
仕事をしたことはないけれど、名前だけは知ってる。
「そう。で、今回も来月スポットの依頼が来てね?」
「はい」
「で、その担当を佐藤さんにお願いしたいと思ってるんだけど」
「………はい」
急に緊張して、思わず声が上ずる。
「佐藤さんにも、そろそろ担当を持ってもらいたいなって思ってたから。
内容的にはいつもと一緒だし、最初に持つ担当としてはいいんじゃないかなと思って」
「………わかりました。
ありがとうございます。頑張ります」
ピンと背筋が伸びる。
「ありがとう。じゃあ詳細はまた打ち合わせしよう。
とりあえず今週はそのままよろしく」
「はい。失礼します」