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【ハイキュー】思い出すのは、いつも【黒尾鉄朗】

第19章 香水


けど、なんとなく恥ずかしくて。





「香り、決まった?」



「うーーーん。やっぱりコレが、いい香りだな~って………」





おずおずと言ってみる。





「お、マジで?

すみません。じゃあコレお願いします」





黒尾さん、嫌がってない。

よかった!





「サイズはどうされますか?」



「奈々、普段香水使う?」



「あ、使いたいなって思ってます」



「じゃあ100mlの方で」



「かしこまりました。では少々お待ちくださいね」





ん?なんか私がいないところて話が進んでった。

いや、いいんだけど。





「お待たせいたしました。こちらへお願いします」





そう促され、レジの前へ。



レジをたたかれて、カードを出そうとすると





「これ、俺からのプレゼントだから」



「え?」



「だから、奈々は大丈夫。

あ、一括で」



「え?いやいやいや!」



「いいから」





で、結局





「………すみません」





すでに暗証番号を入力し終えた黒尾さんに

申し訳なさすぎて小さくお詫びを入れる。





「スミマセン、じゃなくて?」



「………ありがとうございます」



「いーえ。どういたしまして」





ショッパーに入った品物を黒尾さんが受け取って。





「"おそろい" 増えましたネ?」





ニッて笑う顔に、思わず顔を伏せてしまう。





「なんか気を遣わせてしまって。一人でくればよかったですね」



「なーんでそんなこと言うの?

俺と一緒に選ぶの、嫌だった?」



「嫌なわけないです。でも………」



「俺がそうしたかったからいーの。

今日から奈々も俺と一緒の香りなんでしょ?」



「そう、ですね?」



「じゃあ俺のこと、思い出して?」



「忘れないから、思い出せません」



「それはそれでアリだな(笑)」



「黒尾さんも、私のこと忘れないでくださいね?」



「奈々じゃないから忘れませーん」



「………何も言えないのが悔しいです」





いつも黒尾さんが一枚上手。


だけど、明日から黒尾さんと同じ香り。





私の大好きな人の



大好きな、香り。
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