第1章 アイノカタチ|逆巻カナト
『誰かっ!誰か助けてっ!』
ガチャ…───
カナト「何してるんですか?」
『来ないでっ!』
カナト「どうしてですか?」
『また私の血を吸う気なんでしょ!』
カナト「当たり前じゃないですか」
『もう家に帰してよ…』
いやですよ…といいながらカナトが近づいてくる。
『やだ…っ』
カナト「なぜ嫌なんです?君が僕に告白したんですよ?」
『っ…!でもっ…ヴァンパイアだなんて…』
カナト「僕がヴァンパイアだから……、だから君は僕から逃げるんですか…」
『知らなかったの…だから…』
カナト「僕が怖いんですか?」
舞は涙を浮かべながらカナトに答えた。
『…私を殺すつもりなんでしょ…、そんなの…怖いに決まってるじゃないっ…』
カナト「君は僕に殺されたいんですか…」
『ちがっ…』
カナト「いいですよ?愛が深くなればそうなることだって…ある…」
『っ…、私は死にたくない…』
カナト「君は僕に愛されたくて、僕に告白したんですよね?」
『っ//…それは…』
カナト「ねぇ、テディ?…そう、うん、…わかったよ」
カナトはクマのぬいぐるみ、テディを持ち上げ話しかける。
舞は頭の中が真っ白になった。
カナトはぬいぐるみと何かを話している
それも、ただのぬいぐるみに…。
『…。(怖い…、なんなの…)』
カナト「テディも君を気に入ったみたいだね。ね、テディ?」
『…え?』
カナト「僕はもう少し、君を味わいたいです…」
カナトはふふっと笑いながら舞に近づいてくる。
『…やだっ…来ないでっ!』
カナト「君は僕に愛されたくないんですか?」
『愛されるのに何で噛まれなきゃいけないのよっ!』
カナト「君はバカですか?」
『ば、ばか?』
カナト「本っ当に君はバカですねぇ、僕はヴァンパイアですよ?」
『?』
カナト「ヴァンパイアは食事をする時と、人を愛でる時は違うんです」
『違う…?』
カナト「あまり痛くなかったはずですよねぇ?」
『……そんなの、』
カナト「君が僕にだけ向ける笑顔、僕は好きでしたよ?…でも」
シャキ…──とナイフを取出し
『いやっ…』
カナト「僕以外に向ける笑顔…僕は…
許しませんっ!」
ザシュッ…───