【FF15】 同じ夢を、あなたと (イグニス・R18)
第8章 寄り添い
そう言って穏やかな眼差しで見つめてくるマチコをオレは…思わずきつく抱きしめた。
「わぷっ。苦しいよイグニス~」
オレの肩口から、子どもらしい明るくて高い声が聞こえる。
すっぽりと収まる小さくて華奢な身体…
まだ、まだこんなにも稚く、か弱い存在なのに…。
オレは奥歯をギリ、と噛みしめた後、努めて明るい声で言った。
「マチコは本当に優しくて頑張り屋さんだな…。
でもだからこそ、無理しないでくれ…辛い時にはいつでも相談してほしい」
「ありがとうイグニス…でもそれはイグニスもだよ?」
「オレは良いんだ…グレイスを守りたくてここにいるんだから」
「ほらーも~ちょっとお兄さんなだけなのに頑張りすぎー」
「はは、可愛い妹を可愛がれるのは兄の特権だからな」
少しばかり屁理屈っぽくなったオレの話を聞いて、鈴を鳴らしたような愛らしい声で笑うグレイスの存在を腕の中に感じながら、
心の中でオレは一層愛おしさを募らせた。